75-01-01から1年間の記事一覧
五木寛之氏の「白いワニの帝国」を読む。 おいおい。何だよ、この面白さ。 一体、このハッピーな感じ、ライトな感じ、ポップな感じ、ナイスな感じはどこから来ているんだよ。 まさにナイス・ナイス・ヴェリ・ナイスじゃないか。 日々、ナイスなものの方へ、…
1.奈良の仏像めぐり自制していた仏像めぐりを解禁。法隆寺、薬師寺、新薬師寺、興福寺、東大寺など、奈良の著名な仏像を片っ端から見まくる。仏師たちの至純の祈りはかくも美しい造化を生みたもうた…ただ、感心。 2.フェルメール・ドレスデン美術館展国立西…
そういえば… 『日本幻想短編小説集1』の総論みたいなものを述べるのを忘れていた。 ザザザッと、書く。 1 五木寛之「白いワニの帝国」がよかった。 今読んでもとてもおもしろく読めるし、新しい。 この小説がこんなにポップなのは、主要な登場人物である永…
「押絵と旅する男」(1929)を読んでいて、おもしろい発見をいくつかした。 ひとつは江戸川乱歩という作家の視覚・映像への異常なこだわりである。 もうひとつは乱歩がこの短編で選んだ浅草という場所の意味づけである。浅草の地誌については、同じ頃の…
新書というものにこれまであまり触れてこなかった。理由はおじさんが読むものではないかと思っていたことと1冊800円近くして、コストパフォーマンスが悪いと思っていたため。平凡社が多いのは今年に入って仕事をするようになったSさんが、平凡社新書の立ち…
日本の幻想文学・・・といわれて、すぐに名前が浮かぶのは澁澤龍彦とか夢野久作などといった人だろうか。「日本幻想小説傑作集」とあったので、なんかエタイの知れない、読みにくいマイナー作家の話が連なるのかなぁと思っていたら、そんなことはなくて、こ…
第1位 2005年2月 青山劇場 『デモクラシー』 ホリプロ創業45年周年記念 出演:鹿賀丈史、市村正親 作:マイケル・フレイン 演出:ポール・ミラー 空席がちらほらあったのが悔しかった。私的には文句なく№1。原作はマイケル・フレイン(2000年ト…
短編小説のアンソロジー美味しいですね。カラーの違う短編で飽きないし、一定のクオリティを保証されている安心感もあっておトク。収録されている14の短編はどれも読み応えがありますが、私が特に気に入ったのは「くだんのはは」(小松左京)と「二ノ橋 柳…
・デリダ逝去(2004,10.8) ここ数年、大物思想家の死が続いていたが、「フランス現代思想」の最後の巨 人ともいうべきデリダもついに鬼籍に入る。ここに一時代がおわると共に新たに そのテクストの読解が始まるわけだが、弟子達の「ディアドゴイの争い」に…
「幻想小説が読みたい」と思ったことはない。そもそも「幻想小説」という発想がなかったからだ。もちろん」世の中に「幻想小説」なるものがあってファンがいるらしいということは薄々感づいていたが、それがなんであるかは全く興味の外であった。 今回この『…
『告白』(町田康) あかんかった。打ちのめされた。熊太郎への著者の感情移入っぷりがスゴい。 『明日の記憶』(荻原浩) 若年性アルツの話。ラストの橋のシーンは美しい。ただ、渡辺謙さんじゃカッコよすぎ。 『対岸の彼女』(角田光代) 30女のニガさがよ…
①投票用紙に「自由民主党」と書く。 「とりあえず大学合格!やりたいことは入ってから見つけるの」なんて言ってる予備校生の集まりみたいな民主党。「政権交代!」っていうのは議事堂の中心で勝手に叫んでくれ。だいたい「自由民主党」を端折って記入するお…
「いま、純愛ブームだという。肉体関係がない、精神的なつながりだけの愛が純粋だと思いこむ。だがそれは単に未熟な幼稚愛にすぎない。精神と肉体と両方がつながり密着し、心身ともに狂おしく燃えてこそ、愛は純化され、至上のものとなる。今度の小説は、そ…
日本幻想小説傑作集 (1) (白水Uブックス (75))作者: 阿刀田高出版社/メーカー: 白水社発売日: 1985/11メディア: 新書 クリック: 4回この商品を含むブログ (13件) を見る 甘美な死の想念に誘う詩的幻想、文明の不条理と管理社会の恐怖を描く変身譚、現代人の…