1800-02-01から1ヶ月間の記事一覧
吉田健一というすぐに思い浮かぶのは「英語が出来る人」。それと『シェイクスピア』や『英国の近代文学』といった、自分の頭で外国文学を読めて理解することができる人が書いた本の著者という認識を持っていた。 彼の小説は、金井美恵子や松浦寿輝などに影響…
この人はたいへんな飲み助である。もう、理屈抜きで飲むのが好きだということが、同じ飲み助の身にはひしひしと伝わってくる。実際、ほぼどこに行っても彼は飲んでいる。 「彼は」と言っても体裁上は同一人物ではなく、「谷村」→「村山」から始まって「川西…
1 吉田健一流にまず廻り道をすることから始める。 1970年代に「吉田健一ブーム」というものがあった。しかも若い読者を中心に。 吉田さんは評論家としても作家としても立派な仕事をなさり、文章が読みづらいということになっているのに、むずかしい文章を読…
あふれかえった通勤客がホームから落っこちないのが不思議なくらいの小田急線の新宿駅で、2台下りの急行列車を待って列の先の方についた。乗客を嘔き出した列車の表示が始発に変わり、ようやくドアが開いた。肩からは通勤鞄、小脇にかかえるのは吉田健一の…