●1999年から続く文化系サラリーマンたちの読書会。白水社さんを勝手に応援中です。
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U研って何?メンバーこれまでの歩み活動レポート掲示板リンク集

U研って何よ?


■とりあえず、ご挨拶


 こんにちは! 元気に文学してますか? 白水Uブックス研究会です。
 当ブログでは白水Uブックス限定の読書会を続ける、私たちの活動内容を紹介しています。Uブックス作品はもちろんのこと、おもしろい!と思った小説についてはドンドンご案内して行こうと思っています。

 文学を愛するすべての人にとって、楽しく、有益で、ほんの少し元気になれるブログになれば幸いです。


■で、「白水Uブックス研究会」(U研)って?


 私たち白水Uブックス研究会(以下、U研と略。「ユーケン」と読む)は、都内の同じ会社に勤めるサラリーマン有志6名で結成された、白水Uブックス限定の読書サークルです(平均年齢30歳前後)。定期的に読書会を行い、会のたびにそれぞれレポート(作品論)を持ち寄り、それをまとめて小冊子の会報にしています(会報は既に計30号を超えました)。


 私たちのテーマは、ずばり「生涯文学」。これです!


 ふつう、学生時代には熱心な文学少年・少女でもいったん社会に出てしまうと、仕事に忙殺され、読書をする機会がグッと減ってしまうものですよね。幸い、U研では無類の文学好きがメンバーに揃い、会社の終業後に集まっては呑み食いしながら、終電まで好きな小説についてトークする活動をつづけてくることができました。

 私たちは大人になるとあきらめてしまいがち(?)な文学への炎を絶やすことなく、一冊のテクストをめぐる「読み」を共有しあったり、交換しあったりしながら、「定年退職するまで」会をつづけて行くつもりです。


■そもそも「白水Uブックス」って…?


 白水Uブックスとは、外国辞書、海外文学の翻訳で知られる、歴史ある出版社・白水社が定期に発刊している翻訳文学を中心としたラインナップを揃える新書シリーズです。白水社は大ベストセラーになったサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』の版元として有名ですが、これも現在はUブックスに入っています。シェイクスピア戯曲や『チボー家の人々』のような大河小説といった作品も入っています。

 しかし、私たちが専ら注目するのは、文学ファンには垂涎の作品群……シュルレアリスムの異端文学やアメリ現代文学、ヨーロッパ前衛文学の先鋭的な作品など、「名作だけれど入手困難な小説」「いまだ知られざる傑作」「今後評価の確立する最前衛の作品」といった得難いラインナップの方にあります。

 白水Uブックスに入る作品はまず佳作と思ってまちがいないでしょう。翻訳の安定感は言うまでもありません。そして、千円以下という手頃な価格帯、瀟洒なデザイン・装丁と、ポケットに入れられるスリムな新書サイズは、書店のあまり目立たない片隅で異彩を放ち、新たな読者との出会いを待っています。


■さらに私たちのこと


 私たちU研はそんな愛らしいUブックスのファンであり、愛読者です。しかし、私たちは初めからUブックス限定の読書会を続けてきたわけではありませんでした。もともとは、ラテンアメリカ文学研究会として、自分たちがあまり読んでこなかったラテンアメリカ文学を、通勤時にも読め、薄給の我々の懐を痛めない集英社の文庫本シリーズで読破することを目的に設立されました。

 ところが、1年半つづけるうちに、肝心の読みたいテクストがなくなってしまい、新たに「白水Uブックス」限定の読書会へ鞍替えし、今に至るのです。でも、さすが白水Uブックス! 読むほどに深く、定期的に新刊も出ていますから、テクストの尽きることがなく、私たちを飽きさせることがありません。


■そして「文学フリマ」のこと


 U研は、その活動の発展形として、2001年から始まった「文学フリマ」に参加しています。

 第1回「文学フリマ」では、『1億3000万人のための高橋源一郎入門』をつくり、青山ブックセンター本店で頒布したところ、大変好評を得ました。

 「文学フリマ」発起人の評論家・大塚英志氏からは雑誌『群像』誌上でこんな言葉をいただきました。「ぼくがこの「文学フリマ」を象徴していると思ったのは、高橋源一郎ファン本と氷室冴子をリスペクトしたジュニア小説を平然と並べていたあるサークルです。何しろ彼らの「正体」はとある企業のサラリーマン有志によって結成された、白水Uブックス限定の読書サークルだというのです」(2002年2月号)。

 そして第2回「文学フリマ」では『大島弓子だって文学である』を制作し出展。昨年を上回る反響でした(『季刊 本とコンピュータ』2003年冬号にはU研への取材記事もちょっぴり掲載)。この時の出会いがきっかけとなり、編集者・評論家の仲俣暁生氏をゲストに迎えての読書会を開催するなど、内外に活動の幅を広げています。



 そんなこんなでU研も活動7周年を迎えたことを記念し、さらなる飛躍を目指してブログの開設&リニューアルとなりました。皆様、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。(了)

              〜白水Uブックス研究会会長 松浦アヤヲ aka 文学狂人〜