グリム童話とツボちゃんと『路上』と
本日届いた「出版ダイジェスト」によると、今度のUブックスは、『初版 グリム童話集』(全5巻)とのこと。初版からの翻訳というのがポイントのよう。
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白水社さんも参加されている「書物復権」8社の会のセミナーが新宿で。佐藤良明、坪内祐三、管啓次郎の3人の対談。テーマは「今、教養の場はどこにある?」。前回のU研で内海さんと「もはやサブカルすら教養ですね…」と話したことを思い出す。
色々と刺激を受けて、結構メモをとった。
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オン・ザ・ロード (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-1)
- 作者: ジャック・ケルアック,青山南
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/11/09
- メディア: ハードカバー
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紀伊国屋書店で新訳の『路上』を買う。翻訳は青山南氏。昔から長田弘訳の『路上』が読みたいなと思っていたのだが、まさかその弟さんが訳すとは。
僕はU研では「サリンジャー好き」と規定されているが、自分では「ケルアック好き」だと思っている(サリンジャーは全部読んでいるだけ。好きなのは『ライ麦』だけ)。ぱっと開いたページを読んで、いきなり痺れた。
列車は来なかった。ハイウェイに出ると、車はすぐに拾えた。ぼくの人生でいちばん速い、いちばんぶっとんだヒッチハイクだった。運転していたのはカリフォルニアのカウボーイ・バンドのバイオリン弾き。ぴっかぴかの新車を時速80マイルで飛ばした。「運転しているときは飲まない」と言って、1パイント瓶をぼくに渡した。ぼくは飲んで、やつにまわした。「まあ、いいか」と言って、やつは飲んだ。(P141)
こんなに、すがすがしい「まあ、いいか」。あまり聞けないですよ。
たたみかけるような文体、「一番」を「いちばん」と開いているのもいい。
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明日は「文学フリマ」、いろいろと楽しみである。