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引き続き阿部和重、と絲山秋子を読む。

シンセミア〈2〉 (朝日文庫)

シンセミア〈2〉 (朝日文庫)

 文庫版第二巻読了。エンターテインメントとして単純に面白い。所々にポルノグラフィックなシーンがあって、読者サービスも抜かりなし。

 ところで、今朝、通勤途中にU研のアヤヲ会長を見かけたので「おはよう」と近づいていくと「辻君がブログで阿部和重の『シンセミア』を誉めていたけどさ。あれって、つまんないよね!」と、いきなり斬ってかかられた。全部読んだわけではないので、どうにも反論できず。

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

 「泣こう!」と思ってブクオフで買って読了。いきなりネタばれだけど、小説の中とはいえ、人が死ぬのは悲しい(泣きはしなかったが)。

 解説で「音楽の使い方がうまい」と福田和也氏が誉めている。具体的なプレイ・リストはシド・バレットシュープリームス「恋はあせらず」、エアロスミスカーティス・メイフィールドトム・ウェイツ『レイン・ドック』、パット・メセニー「レター・フロム・ホーム」。ミュージック・マガジン読者というかなんというか。特にカーティス使いがうまいです。

 パット・メセニーという選曲だけ俗っぽい感じもするけれど、ゲフィン移籍直後のパットのレコードはメロウ度が高くて、いい。この中篇全編に流れる「なんだか泣けちゃうのさ」というムードは、まさに当時のパット・メセニーだな。