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[読書]「ペッサリー」が気になって

さようなら コロンバス (集英社文庫)

さようなら コロンバス (集英社文庫)

(相変わらず遅ればせながら)小谷野敦の『もてない男――恋愛論を超えて』を読んでいたら

「結婚なんかどうでもいいんだよ〜、結婚を前提としないお付き合いがしたいんだよ〜、ほら、あんなふうに腕組んだりして、ホテル行ったりしたいんだよお〜、フィリップ・ロスの『さようなら、コロンバス』なんて、ファックばっかりしているじゃんかよお〜」てなことを言う輩がいるかもしれないが、私は結婚を前提としないセックスは許さない。なぜなら完璧な避妊法というのはなく、セックスする以上子供ができた場合の責任は取れなければならないからだ。すなわち、子供にセックスする権利はない! さらに言う、『さようなら、コロンバス』を読んではいけない!(P186)

なんて書いてあった。

フィリップ・ロスの『さようなら、コロンバス』は、ロスの名作が、ことごとく文庫から消えてゆく中で、なぜかしぶとく集英社文庫のカタログに残り続けている。*1

装丁と、タイトルから想起されるのは、わりと甘酸っぱい青春小説のイメージなのだが(たぶん日本では、そういうマーケティングで売られている)、実際に読んでみると、これはとてーも、とてーも変な話なのである。

内容は忘れたが(!)、やたらと「ペッサリー」という言葉が、作中で連発されていたことだけは覚えている。

つまり主人公の男は、自分で避妊せずに、相手の女性に避妊させる奴なわけだ。どういう主人公なんだよ、こいつは…(確か、そういう話なのである)。それとも「ペッサリー」って、50年代アメリカではポピュラーな避妊法だったのだろうか。つーか、女性の方が積極的に避妊に気を配るという設定が、当時の女性像をリヤルに描写しているのか?(と、いくら言葉を並べても、肝心の内容が思い出せないので、書くだけ空しくなってきた)

僕は『さようなら、コロンバス』を読んではいけない!とは思わない。むしろ微妙に変な小説なので、読むことをお勧めしたい。

でも、中高生の皆さん、夏休みの読書感想文を、これで書くのはやめときましょう★(あと、「ペッサリー」の意味は自分で調べよう)

*1:これを残しとくんだったら『素晴らしいアメリカ野球』(傑作!)や『ポートノイの不満』(神経症的な小説。わりと旬?)を復刻して欲しい。今読んでも充分ポップで面白いのだから。