恵比寿まで一人で、のこのこと
ウェス・アンダーソンの「ライフ・アクアティック」を観に行く。
これは何と言うか…、圧倒される映画。世界を丸ごと映画の中に取り込もうとしている。メルヴィルの『白鯨』みたいだ。海の怪物に対する復讐譚というところも『白鯨』と共通している。
映画内映画というメタ構造の問題や、船の乗組員による擬似共同体の問題など、分析しようと思えば色々と分析できるのだろうが、何も考えずに見ても面白い。映画全編に散りばめられたオフ・ビートなギャグも、最初は全く笑えないが、だんだんツボに入ってくる。
セウ・ジョルジによるデヴィッド・ボウイのカヴァーを中心にしたラウンジィな音楽や、ファッションなどのディティールがオシャレなので、そんなところばかり話題になっているような気がするが、これは良いですよ。公開一週目だというのに、空いていたので、是非。