U研メンバーが選ぶ戦争文学3選(1)
29日の読書会の会報の企画として「U研メンバーが選ぶ戦争文学3選」というテーマで、メンバーそれぞれに原稿を依頼した。せっかくなので、少しずつアップしていきます。まずは自分の書いたものから。
アメリカの戦争文学3選
1)ジョゼフ・へラー『キャッチ=22』(ISBN:4150401349)
2)カート・ヴォネガット『スローターハウス5』(ISBN:415010302X)
3)ティム・オブライエン『カチアートを追跡して』(ISBN:4102042113)
アメリカの戦争文学の傑作と言えば、クレインの『赤い武功章』、ヘミングウェイの『武器よさらば』、メイラーの『裸者と死者』なんていうのが、まず思い浮かぶ。トバイアス・ウルフの『兵舎泥棒』や、ティム・オブライエンのベトナム戦争を描いた一連の作品も忘れがたい。ハインラインの『宇宙の戦士』や、オーソン・スコット・カードの『エンダーのゲーム』などのSFも、ある種の戦争文学と言えるだろう(結局、それらも現実の「アメリカ」の写し絵なのだ)。ここでは好き嫌いは別にして印象に残っている作品を選んだ。僕が基本的に好きなのは戦争という重い主題をポップな語り口で書いた作品である。1は、戦争という不条理な出来事を、不条理ギャグ満載で描いた作品。戦争文学というより、戦争を通して描いた体制批判の本です。
2は小説より、ジョージ・ロイ・ヒルが監督をした映画の方が面白かった記憶もあるが…。
3を書いたオブライエンは、まことに隙だらけの作家で、そこがまた人懐こい魅力になっている。短編集『僕が戦場で死んだら』は我らがUブックスで読める。③は彼が男を上げた一世一代のマスターピース。ジョン・アーヴィングの『ガープの世界』を押しのけて1979年の全米図書賞を受賞した。現実と妄想が入り混じった歪んだテキスト世界が読みにくくも面白い。
大学時代(7年前)に勉強した記憶総動員体制(戦争だけに)という感じのテキスト。うーむ、うーむ…。
ところで、『戦場の一年』については、読書会が終わったと言うのに、id:URARIAさんが倦むことなく語り続けている…。よっぽどテキストが気に入ったんですね。↓
つーか、どういうタイトルのBLOGですか…。