ダイベックの短編がフリーで読めるよ。
白水社さんのホームページで、柴田元幸さんが訳したスチュアート・ダイベックの新作短編が読める。ありがたい、ありがたい(と白水社の社屋がある方角に向かって手を合わせる)。
http://www.hakusuisha.co.jp/topics/Dybek.html
- 作者: スチュアート・ダイベック,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2003/07/01
- メディア: 新書
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U研ではダイベックの『シカゴ育ち』の読書会を昨年の5月に行っている。ホームページには怪鳥のアヤヲ君のレポートだけがアップ済み。(他のメンバーのも順次アップ予定…のはず)
http://www.h2.dion.ne.jp/~u-ken/frame02.html
せっかくだから他のメンバーもレポートのタイトルだけ。
極楽寺坂みづほ 「ノスタルジーと忍び入る幻想」
月立晶 「生きている過去、死んでいる街―」
南野うらら 「願はくは透明な怒りのもとにて」
奈保千佳 「シカゴへの誘い〜都市というメタファー・シカゴ」
辻夏悟 「『シカゴ育ち』私的ベスト3」
同上 「シカゴを、もっと立体的に知るためのブック&レコードガイド」
『シカゴ育ち』のなかでも「右翼手の死」という幻想的な短編が好きだ。僕の中ではポール・サイモンの「ナイト・ゲーム」という曲のイメージに重なっている。サイモンの歌の中ではピッチャーが(比喩として)死ぬ。
野球には全く興味が無いのだが、ベースボールをテーマにした小説は、例外なく気に入ってしまう。ロバート・クーヴァーの『ユニバーサル野球協会』にしてもロスの『素晴らしいアメリカ野球』にしてもバーナード・マラマッドの『ナチュラル』にしても、そうだ。(映画にもなったキンセラの『シューレス・ジョー』は苦手なのだが。ちょっと甘すぎMASS)
ダイベックは確かポーランド移民の家系で、ポール・サイモン、ロス、マラマッドはユダヤ系だ。彼らがベースボールについて書くと、WASP以外から見た「アメリカ」のノスタルジックな姿が立ち上がってくる。そこがたまらなく良い。
それはそうと柴田元幸さんには、まずこっちを全て訳していただけるとありがたいなー、と(一部はアンソロジーで読める)。これは、一読者からのお願い。
Childhood and Other Neighborhoods: Stories
- 作者: Stuart Dybek
- 出版社/メーカー: University of Chicago Press
- 発売日: 2003/10/15
- メディア: ペーパーバック
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