満員電車の夜のエア・ポケット
- 作者: 秋田昌美
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 1994/08/01
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
中野の「タコシェ」で買おうか迷い、先日、池袋の古本屋で見つけて「これも何かの縁」と買った。
スカム…いい言葉だ。畢竟、この世はスカムである。そう考えると非常に痛快だ。人間なんて、血の詰まったズタ袋だ(確かC筒井康隆)。自我だとか内面だとか自意識だとかクソ食らえだ。僕は軽薄なペラペラ人間として生き、ペラペラなまま死にたい(とりあえず半分近くは達成しました)。
と、思わず、いらない内面語りをしてしまったけれど、本書は、なかなか面白い本である。取り上げられる話題はオットー・ミュールなどのウィーン派のアーティストやスロッビング・グリッスルから、猟奇殺人、アメリカのカルトまで。ほんとスカムっていうか、何というか。
宇川直宏によるバッド・テイストな装丁のせいだろうか。この本を読んでいると、満員電車の中でも僕の周りにエア・ポケットができる。これは、すこぶる快適です。