●1999年から続く文化系サラリーマンたちの読書会。白水社さんを勝手に応援中です。
●メールはu_ken7@yahoo.co.jpまで。
●当ブログのコンテンツ
U研って何?メンバーこれまでの歩み活動レポート掲示板リンク集

デヴィッド・バーンの最新作(と言ってもリリースは1年ぐらい前)は本気でお勧めなのだった。

Grown Backwards

Grown Backwards

いやあ、いいアルバム。つーか、純粋に、いい音楽。

一言でいえば、室内楽風ポップ。どこかのレコード店では「元祖ポスト・ロック」なんてポップを見かけたけれど、「ポスト・ロック」と呼ぶには、いい意味で泥くさいし、天然過ぎる。

歌詞は、わりにシニカルである。でも、音楽そのものは、何ともいえない多幸感に包まれている。クソみたいな世界には、ポジティビティで対抗するしかないということだろうか。それはとても正しいと思う。

しかも、何だろう、このアルバム全体に漂う、圧倒的なフェイク感は(←褒めてる)。とにかく歌唱も、アレンジも過剰で、どこかインチキっぽいのだ。ルーファス・ウェインライトと一緒に熱唱するオペラなんて、あとちょっとやり過ぎたらギャグである。ふざけているのか本気なのかよくわからない。こういうことは長いキャリアがあるアーティストだからこそできる芸だ。

フリー・ジャズ界のゴッド姐ちゃん、カーラ・ブレイの参加(アレンジ)がジャズ・ファンには嬉しい。カーラ・ブレイがノンサッチ・レーベルに移籍して、ポップなレコードを作ったら、とてつもない傑作が生まれそうな気がする。