デヴィッド・バーンの最新作(と言ってもリリースは1年ぐらい前)は本気でお勧めなのだった。
- アーティスト: David Byrne
- 出版社/メーカー: Nonesuch
- 発売日: 2004/03/22
- メディア: CD
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いやあ、いいアルバム。つーか、純粋に、いい音楽。
一言でいえば、室内楽風ポップ。どこかのレコード店では「元祖ポスト・ロック」なんてポップを見かけたけれど、「ポスト・ロック」と呼ぶには、いい意味で泥くさいし、天然過ぎる。
歌詞は、わりにシニカルである。でも、音楽そのものは、何ともいえない多幸感に包まれている。クソみたいな世界には、ポジティビティで対抗するしかないということだろうか。それはとても正しいと思う。
しかも、何だろう、このアルバム全体に漂う、圧倒的なフェイク感は(←褒めてる)。とにかく歌唱も、アレンジも過剰で、どこかインチキっぽいのだ。ルーファス・ウェインライトと一緒に熱唱するオペラなんて、あとちょっとやり過ぎたらギャグである。ふざけているのか本気なのかよくわからない。こういうことは長いキャリアがあるアーティストだからこそできる芸だ。
フリー・ジャズ界のゴッド姐ちゃん、カーラ・ブレイの参加(アレンジ)がジャズ・ファンには嬉しい。カーラ・ブレイがノンサッチ・レーベルに移籍して、ポップなレコードを作ったら、とてつもない傑作が生まれそうな気がする。