2007年のベスト3
白水社さんの方でも2007年のベスト企画をやっていました。
ついでに私の「2007年に読んだ文庫本ベスト3」も挙げておきます。
- 作者: 吉田健一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/12/09
- メディア: 文庫
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ヨシケンのなかでベストかどうかは分からないが、今年いちばん読みかえした小説。人生と時間と場所について書いている。つまり世界の全部が、このなかにあるということ。『怪奇な話』(中公文庫)、『絵空ごと』(講談社文芸文庫)もよかった。
- 作者: 佐多稲子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/08/04
- メディア: 文庫
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プロレタリア文学運動にも参加した女流作家の自伝的連作集。文章も内容もメロウで、しびれる。いま、こんな、読んでいるとピンと背筋の伸びる小説を書ける人はいるのか。『私の東京地図』(講談社文芸文庫)もおすすめ。
- 作者: 阿部和重
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/10
- メディア: 文庫
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無類におもしろいエンターテインメントとして読んだ。東北の街を舞台に、暴走する酷薄な人間たちを描く群像劇。大洪水後の商店街に鳴り響くジョン・コルトレーンのテナー(笑)。このけれん味が、すばらしい。『グランド・フィナーレ』(講談社文庫)の「馬小屋の乙女」もよかった。