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2007年のベスト3


白水社さんの方でも2007年のベスト企画をやっていました。

白水社社員が独断と偏見で選んだ2007年のベスト3

ついでに私の「2007年に読んだ文庫本ベスト3」も挙げておきます。

旅の時間 (講談社文芸文庫)

旅の時間 (講談社文芸文庫)

吉田健一『旅の時間』(講談社文芸文庫

ヨシケンのなかでベストかどうかは分からないが、今年いちばん読みかえした小説。人生と時間と場所について書いている。つまり世界の全部が、このなかにあるということ。『怪奇な話』(中公文庫)、『絵空ごと』(講談社文芸文庫)もよかった。

時に佇つ (講談社文芸文庫)

時に佇つ (講談社文芸文庫)

佐多稲子『時に佇つ』(講談社文芸文庫

プロレタリア文学運動にも参加した女流作家の自伝的連作集。文章も内容もメロウで、しびれる。いま、こんな、読んでいるとピンと背筋の伸びる小説を書ける人はいるのか。『私の東京地図』(講談社文芸文庫)もおすすめ。

シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

シンセミア〈1〉 (朝日文庫)

阿部和重シンセミア』(朝日文庫

無類におもしろいエンターテインメントとして読んだ。東北の街を舞台に、暴走する酷薄な人間たちを描く群像劇。大洪水後の商店街に鳴り響くジョン・コルトレーンのテナー(笑)。このけれん味が、すばらしい。『グランド・フィナーレ』(講談社文庫)の「馬小屋の乙女」もよかった。