「海炭市叙景」を読了。
本日は、会社の棚卸しのため群馬へ行ってました。
- 作者: 佐藤泰志
- 出版社/メーカー: クレイン
- 発売日: 2007/10/10
- メディア: 単行本
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2週間ぐらいかけて「海炭市叙景」を読了。
世の中から、決定的にずれてしまった人々が、自分のルールに従って生きていく…という話が多い。
それって、ある種のハードボイルド小説のパターンじゃないか?
高校生ぐらいの頃、好んで北方謙三、船戸与一、志水辰夫あたりの「内藤陳スクール」の作家を読んでいたから、この感じ、読み覚えがある。
佐藤氏の小説は(少なくとも「海炭市叙景」は)、よくもわるくも大衆小説的な味が強いと思ふ。
「いかにも純文学」といった小説を、最初は想像していたのだけど。。
18篇ある作品のなかで、個人的なベスト3を挙げるとするなら…
1.「裸足」
レイモンド・チャンドラー『さらば愛しき女よ』の大鹿マロイのような男が登場。ヘミングウェイ的な通過儀礼の話。
2.「まっとうな男」
主人公の漁師の友人がしみじみといい味を出している。
3.「剥がれた爪」
いかにもハードボイルド的な「聖なる娼婦」が登場。脇役の女子事務員の視点が、物語に入り込んでくる感じが面白い。
ちょっと通俗に流れすぎているかな?と思う作品(「夜の中の夜」など。それはそれで面白いのだが)もありましたが、楽しめました。
レポート頑張って書きます。