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『鍵のかかった部屋』を読む


鍵のかかった部屋 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

鍵のかかった部屋 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)


 会社帰りに、百貨店のなかのカフェで半分ぐらいまで読む。


 あれ?


 僕はオースターの小説にオサレでスマートなイメージを持っていたのだけど、これってすごくグロテスクな話じゃないか? 語り手は友達の嫁さんやお母さんと寝ちゃうし、お友達と×兄弟だし…。僕が言うのもなんだが、やってることめちゃめちゃですよ!


 しかもこの語り手、何かにつけて言い訳多すぎ。彼の愚痴と言い訳とのろけ話でテキストが成り立っている感がある。


 アメリカ文学史に対する目配せや、繰り返される「書くこと」に対しての言及など批評家受けする細部に、僕は惑わされないぞ。香ばしい珍作である可能性大。後半にも期待したい。