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『黒い時計の旅』読書会ソーカツ(1)


黒い時計の旅 (白水uブックス)

黒い時計の旅 (白水uブックス)


 ちょっと記憶が薄れつつあるのですが、先月の31日はU研の読書会でしたよね?(いや、30日?)。課題テキストは、確かスティーヴ・エリクソンの『黒い時計の旅』、…っぽい感じの作品? 


 で、一応、読書会のソーカツとして、メンバーそれぞれのレポートと、印象に残った発言をまとめときます。いっぺんにアップすると長くなりそうなので、2回に分けて。


 なお今回は事前にアヤヲ会長から「辻君、ちゃんと各自の発表をメモっといてくださいよ!」と念押しされたんですけど、メモをとるフリをして、中学時代の教頭先生の似顔絵を書いてますた。なので、メモが断片的になってしまったことを最初に謝っておきます。


 以下、当日の発表順に。


■奈保千佳トマス・ピンチョンを好む文科系女子、id:nahochika


●提出レポート:


「XからZへ―――やっぱりアメリカの危機?」


 X=ヒトラーについては「単なる読み違いでは?」というツッコミがありましたけど(笑)、Z=バニングの妄想説はありそうですね。なかなか新しい読み。


●読書会にて:


 「タイトルからしてロジカルな話かなーと思ったら、いきなりハードな愛憎劇でびっくり」


 今回のテキストを選んだ理由は、①何となく買っちゃったし、②以前、辻が『黒い時計の旅』についてベラベラ喋っていたので、少なくとも一人は既に読んでいると思ったから(←実は読んでなかった)とのこと。


 「XとかZとかって登場人物が出てくるけど、これってピンチョンの『V』へのオマージュなんじゃないの? V、X、(Y)、Zだし」。


 奈保千佳さんによれば、村上春樹の『海辺のカフカ』を100点とすると、『黒い時計の旅』は120点らしい。20点の違いが気になる(あとなぜ『海辺のカフカ』が比較対象として出てくるのかも…)。


極楽寺坂みづほ(締切厳守がモットーの兼業作家)


●提出レポート:


「終わらない“20世紀”」


 『黒い時計の旅』の書評として、短いながらよくまとまっています(って、まとめかたは会長みたいで何だかエラそうだな…)。

いや、「20世紀」は終わらないのだ。そしてそれこそ、「20世紀」がわれわれの世界にしかけた呪いなのではないだろうか。


 というフレーズがかっこいい。


●読書会にて:


 「ストーリーや設定のつめが甘い作品だよね。でもそこをを完璧にしたらSFになっちゃうかも」


 極楽寺坂さんは『黒い時計の旅』を「山本直樹的」と評する。これは、かつてガルシア・マルケスの『エレンディラ』を「吉田戦車的」と言い切ってしまった極楽寺坂さんならでは。


 「乱雑な話なのに、最後の最後になって、つじつまを巧くあわせちゃうところとか似てない?」。


■南野うらら(最近はひたすらワーカホリックid:URARIA


●提出レポート:


「これがどんな小説かっていうともう“わかってくれるさRCサクセション”?」


 いつまで待ってもレポートが提出されないので、id:URARIAさんのブログで拾ってきた感想らしきもの。


 とまれ、何だか『黒い時計の旅』の、ど真ん中を打ち抜いている感がある。


●読書会にて:


 「最初、ヒトラーの話かと思って読んだのよー。でも全然違った。結果として、一応、萌えたから満足かな。『海辺のカフカ』を100点としたら、これは135点ね★」


 って、だから何で『海辺のカフカ』!?


 「歴史(改変)小説は、“萌え”から始まるのよ!」という、独自の「萌え史観」を展開するid:URARIAさん。それに対してアヤヲ会長が「は? “萌え”なんて、くだらないじゃないですか!(ふん)」と噛み付いた後は、幼稚園児の喧嘩のような言い争いがスタート。



以下、第2部に続く。