『黒い時計の旅』読書会ソーカツ(1)
- 作者: スティーヴエリクソン,Steve Erickson,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
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ちょっと記憶が薄れつつあるのですが、先月の31日はU研の読書会でしたよね?(いや、30日?)。課題テキストは、確かスティーヴ・エリクソンの『黒い時計の旅』、…っぽい感じの作品?
で、一応、読書会のソーカツとして、メンバーそれぞれのレポートと、印象に残った発言をまとめときます。いっぺんにアップすると長くなりそうなので、2回に分けて。
なお今回は事前にアヤヲ会長から「辻君、ちゃんと各自の発表をメモっといてくださいよ!」と念押しされたんですけど、メモをとるフリをして、中学時代の教頭先生の似顔絵を書いてますた。なので、メモが断片的になってしまったことを最初に謝っておきます。
以下、当日の発表順に。
■奈保千佳(トマス・ピンチョンを好む文科系女子、id:nahochika)
●提出レポート:
X=ヒトラーについては「単なる読み違いでは?」というツッコミがありましたけど(笑)、Z=バニングの妄想説はありそうですね。なかなか新しい読み。
●読書会にて:
「タイトルからしてロジカルな話かなーと思ったら、いきなりハードな愛憎劇でびっくり」
今回のテキストを選んだ理由は、①何となく買っちゃったし、②以前、辻が『黒い時計の旅』についてベラベラ喋っていたので、少なくとも一人は既に読んでいると思ったから(←実は読んでなかった)とのこと。
「XとかZとかって登場人物が出てくるけど、これってピンチョンの『V』へのオマージュなんじゃないの? V、X、(Y)、Zだし」。
奈保千佳さんによれば、村上春樹の『海辺のカフカ』を100点とすると、『黒い時計の旅』は120点らしい。20点の違いが気になる(あとなぜ『海辺のカフカ』が比較対象として出てくるのかも…)。
■極楽寺坂みづほ(締切厳守がモットーの兼業作家)
●提出レポート:
『黒い時計の旅』の書評として、短いながらよくまとまっています(って、まとめかたは会長みたいで何だかエラそうだな…)。
いや、「20世紀」は終わらないのだ。そしてそれこそ、「20世紀」がわれわれの世界にしかけた呪いなのではないだろうか。
というフレーズがかっこいい。
●読書会にて:
「ストーリーや設定のつめが甘い作品だよね。でもそこをを完璧にしたらSFになっちゃうかも」
極楽寺坂さんは『黒い時計の旅』を「山本直樹的」と評する。これは、かつてガルシア・マルケスの『エレンディラ』を「吉田戦車的」と言い切ってしまった極楽寺坂さんならでは。
「乱雑な話なのに、最後の最後になって、つじつまを巧くあわせちゃうところとか似てない?」。
■南野うらら(最近はひたすらワーカホリック、id:URARIA)
●提出レポート:
「これがどんな小説かっていうともう“わかってくれるさRCサクセション”?」
いつまで待ってもレポートが提出されないので、id:URARIAさんのブログで拾ってきた感想らしきもの。
とまれ、何だか『黒い時計の旅』の、ど真ん中を打ち抜いている感がある。
●読書会にて:
「最初、ヒトラーの話かと思って読んだのよー。でも全然違った。結果として、一応、萌えたから満足かな。『海辺のカフカ』を100点としたら、これは135点ね★」
って、だから何で『海辺のカフカ』!?
「歴史(改変)小説は、“萌え”から始まるのよ!」という、独自の「萌え史観」を展開するid:URARIAさん。それに対してアヤヲ会長が「は? “萌え”なんて、くだらないじゃないですか!(ふん)」と噛み付いた後は、幼稚園児の喧嘩のような言い争いがスタート。
以下、第2部に続く。