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ブラッド・メルドー

「U研日誌」に書いた「ANYTHING GOES」は、キース・ジャレット以来の(?)ジャズ・ピアノの大物、ブラッド・メルドーの第6作目。

前作は「ジャズからの、ポスト・ロックへ回答」といった趣の作品だったけど、本盤ではレギュラー・メンバーでの伝統的なピアノ・トリオ・スタイルに戻っている。

ブラッド・メルドーのピアノというのは、どんなに華麗なフレーズを弾いても、エモーショナルに響かないところがある。結果として、その音楽は、まるで「鬱」な感じで、それが不思議と僕にはとても心地よい。良くも悪くもメルドーはメタな視点からジャズを演奏しているのだと思う。このヒリヒリするような冷たさは、そのためだろう。

あまり話題にならなかったけど、しみじみと良いアルバム。