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読書会の参考までに〜編集委員が選ぶ児童文学3選


■アヤヲ会長の児童文学3選

1)ケストナー飛ぶ教室
大人になってから読んだ。読んでいるあいだ子どもに還り少し泣いた。
2)あまんきみこ「車の色は空の色」
小学2、3年生頃読んだ。ふわりとした浮遊感ただようかわいい童話。
3)小川未明「野ばら」
小学校の教科書で読んだ。アナキストだった小川が戦争と死を国境として描いた。

■辻の児童(の頃に読んだ)文学3選

1)興津要編「古典落語」 
落語というのは、もちろん会話で成り立っているわけなので、大人の本でもそれなりに読めてしまう。この講談社文庫のシリーズは、全巻合わせると、すごいボリューム感があって、学習机に並べてみると、まさに「ワールド・イズ・マイン!」という全能感を感じた10の夜。
2)コナン・ドイルシャーロック・ホームズ全集」 
もちろん児童向けにリライトされたものです。実はオリジナルはいまだ読んだことがないのです。評価が高い短篇群よりも『バスカァヴィルの魔犬』、『四つの署名』、『恐怖の谷』などの長篇が意外に面白かった11の夜。
3)みやすのんきやるっきゃ騎士
弓月光森山塔と共に、小学生時代の私の3大フェイバリット●●作家。学校に行っている間に、親に本を見つけられて、えらい目にあった12の夜。

id:URARIAの児童文学3選

1)アーシュラ・ル・グィンゲド戦記
『帰還』も含めて大好き。内省的なところがいい。センスはアメリカ的というよりヨーロッパ的な作家だと思うのだけど、どうかな。倫理観が強いのにクリスチャン臭さがないところが何とも魅力。
2)松谷みよこ「モモちゃんとアカネちゃん」 
子どものとき読んで衝撃を受けた。両親の離婚、それが「しようがないこと」というスタンスで描かれている。愛があっても一緒にも暮らせない、人間にはそういう関係もあるのだと学んだ気がする。
3)ローズマリー・サトクリフ「第九軍団の鷲」 
ポスト大英帝国、ポストWW2の目。侵入者であり侵略者であるローマ兵(主人公)と、先住民との相克と友情がうまく描かれていた。主人公は試練を克服する冒険者であり、同時に加害者でもある。このように世界を捉えることができるのは、サトクリフの中に現代史への深い洞察があるからだ。母国への歴史の愛と反省が一致した、類稀に美しい作品。