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「白水Uブックス超入門」 読まずに死ねるか!?((C)内藤陳)


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全国400万人の、
海外小説と内藤陳が大好きな、
サラリーマン&OL&小中学生&オフィス・レディ&OLのみなさま…


お待たせいたしました!


11月12日(土)
文学フリマ in 秋葉原にて―――――


「やっと会えたね」((C)辻仁成


今回、我らお気楽ピラ社員集団・U研は
『白水Uブックス超入門』を
スーツケースに詰め込んで
文学フリマに参戦いたします。

限定80部(ぐらい)で、
(当然ですけど)1日だけの限定頒布

それはまさに
『僕らの1日間戦争2』
(Thanks for the memory of 具志堅ティナ)


内容はといえば
そのタイトル通り
海外文学の優良レーベル、
白水Uブックスの特集本ですが、


「こんな本、今まで無かった…」(私の祖母談)


すべて名盤とも言える
そのラインアップから
「出版界のブルーノート1500番台」と評される
ピカソのイラストでおなじみ
「青いUブックス」(通称、青盤)から
スティーヴ・エリクソン
ポール・オースターなど
人気の現代作家を漏れなく押さえた
白いUブックス(通称、白盤)まで

「あなたがつねづね
Uブックスについて知りたいと
思っていたのに、気が引けてU研に
尋ねそびれてしまったこと」
((C)スラヴォイ・ジジェク
その全てがわかっちゃいます!


では、その冊子から、
ハイライトシーンだけを
ピックアップしてご紹介しましょう。

「何がバブルだ、カラタニだ…、一体、そのどこに“文学”があるってんだ…」
「え? 何、アヤヲくん?」
「…何がバブルだ、カラタニだっ!! 何が断食道場だ、ピラティスだ、ガラパゴス島だ、リリー・フランキーだ、エビちゃんだ、ロハスだ、ミクシだ、ハチクロだ、ナナロク世代だ、憲法改正だ、美しい国のアリスだ、コトラー団塊向けマーケティング入門だあああああああああああ!」
顔面をピクピク痙攣させながら、アヤヲ会長は突然、椅子を蹴倒して立ち上がった。
「か、会長?」

クェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!!!!

文学フリマ恒例★ライトノベル「U研解散? 短くも美しく萌え…で大混乱の巻」より)

 スピーノが探していたものって一体なんだったんでしょう。
 それは繋がりへの可能性ではないかと思います。今、彼自身が生きているのは偶然なのか。なんでここに居るのか…。人間も30を過ぎると、これは切に思う感覚ではないかと思います。自分が生きている世界とは別のもう一つの世界が存在するのではないか。その可能性を考える発端が、名前の分からない死体、ノボルディとの出会いだった。…

(アントニオ・タブッキ『遠い水平線』書評「ここに存在する理由」より)

 出したい本が見つかったら、出すのか、出さないのか。あとは自分のなかの判断力の問題です。教養主義ということでなくて、ほんとうに良い本、読者が読みたくなる本を出すことでつながっていきたい。売れるんじゃないか、こういうテーマはうけるんじゃないか、と思いこみ、期待して出す本はたいてい失敗します。それよりも内容とか質をみてこれはやはりいい、と判断した作品のほうが経験的にはいい結果が生まれてきましたね。

「編集部長が語るUブックス」より)

辻夏:オースター作品の労働における内面の不在の問題とか、監視の問題とか、生=労働という問題とか、それは新自由主義下の世界における問題であって(←本当か?)、いわばオースター作品は、当時のアメリカの経済政策に対するリアクション的な側面も持っているのです。これは村上春樹の一時期の作品がバブル期、高度資本主義経済下の日本に対するリアクションであることと重なってくる。僕はオースターと春樹の類似は、そこらへんから来ているのだと思う。
南野:春樹の時の日本は景気が良かったけど、レーガン時代のアメリカは不況で、置かれている立場がまったく逆じゃないの?…(ぶつぶつ)。
辻夏:いやいや南野さんが言うことも、たしかにもっともなんですが、火星から発生した毒電波が、ポール・オースターの左足を伝わって地球のマントルに向けて放射されるわけで、つまり…
月立:(おもむろに)辻君、言わせてくれ。
辻夏:(正気に戻って)は!?
月立:俺は、絶対に、これを労働小説とはみとめられない。なぜなら、ここには「真の労働の姿」が描かれていないからだ。
一同:(しいいいん…)

「読書会のすすめ 〜ポール・オースター鍵のかかった部屋』読書会誌上再現!」より)

 目も当てられないダメ人間だ。ここまで徹底したダメっぷりをさらけ出す人間が主人公になりうる小説というのは、戦前日本の「自然主義」文学くらいしかないと思っていた。もっとも彼らの場合、作中に登場するダメ人間はとりもなおさず作者本人であり、しかも自分がダメであることを「苦悩」なんて呼んで、さも高尚なことを書いているつもりになっている。
 それに比べると、アップダイクがウサギ、すなわちハリー・アングストロームを描く筆致ははるかに客観的だ。ウサギは冷徹なまでに突き放されている。…

ジョン・アップダイク書評「走るダメ人間をめぐる3つの謎」より)

ここはとても安らかな場所だ

捨てられたものたちも静かに想いをめぐらす

いつか子供らが 骨に刻まれた言葉の意味を知るころ

ぼくたちは再びこの渚に集うだろう

「渚 〜文学フリマに捧げる詩(うた)」より)

文学フリマ」と呼ばれる同人誌販売会のきっかけとなったのは、二〇〇二年六月の「群像」に発表された大塚英志の「不良債権としての『文学』」というエッセイのなかで、大塚が読者に開催を呼びかけたことに始まる。
 なぜそのような仕儀にいたったか、詳細はともかく(この単行本未収録の文章は傑作なのでぜひ読むことをお薦めする)、大塚は大手の出版社が出す文芸誌によって成立している「純文学」という制度が、排除的な「既得権」によって生き延び、しかし、もはやその生存が脅かされていることを指摘する。もし「既得権」の享受者たちが、「文学」に価値があるというならば、それを説明する責任があると主張したのである。…

内海惟人「文学フリマのために」(本誌未収録。ビラ配布予定(本人談))より」

 11月12日が晴天であることを祈りつつ。。。。

 BGM

Juju

Juju