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パンツを穿いて静かに


アメリカ現代詩101人集

アメリカ現代詩101人集


 会社で僕の仕事のアシスタントをしてくれている文科系女子の機嫌がすこぶる悪い。


 GW直後に何の前触れもなくいきなり辞めてしまった女性の仕事を、充分な引継ぎもなしに、やってもらっているのだから当然なのだが。


 気持ちは分かる。痛いほどに。


 でも、でもね。。。俺だって物理的に胃が痛いんだよ(きりきり)。


 もしかしたら、その文科系女子がこのブログを読んでいるかもしれないので(ないか)、僕が精神的に追い詰められたときに読むことにしている、ビート詩人ローレンス・ファーリンゲティの詩の一節を引用しておく。

 もし僕がきみだったら
 冬用の特大パンツを用意しておくだろう
 あの楽しい夜に裸で出ていくな
 パンツを穿いて静かに
 温かくほくほくしていよう
 始まっていないのに先走って
 「空騒ぎ」することはない
 チョッキに片手をいれて
 威儀をただして出ていこう
 興奮するな
 死神に支配はさせないぞ
 きみ 時間はまだたっぷりある
 ぼくたちはまだ若くて気楽だ
 騒ぐことはない


 (沢崎順之助訳 ローレンス・ファーリンゲティ「パンツ」
  『アメリカ現代詩101人集』思潮社

 こういうときだからこそ、僕らはチョッキに片手をいれて威儀をただしていこう。